PROJECT STORY

課題解決のその先へ「オーダーメイドウェア “EX. WORKERS”」

「クライアントが抱える課題を解決できるユニフォームを生産できればビッグビジネスになる」。そんな想いから顧客の抱える課題やニーズと真摯に向き合い続けた結果、「EX.WORKERS(エックスワーカーズ)」は誕生した。自社工場生産によるフルオーダーメイドユニフォームは、現在様々な現場で働く従業員を支えている。

オーダーメイド ユニフォーム

発想

始まりはクライアントが見せた渋い顔
1998年、我が社のシンガポール支店に日系企業の半導体事業部から「工場で使うクリーンルーム向けのユニフォームを作って欲しい」と相談が持ちかけられた。顧客側の要望に沿った他社メーカーの製品を探してユニフォームを納品したが、クライアントは渋い顔を見せた。
作業者向けのユニフォームは、ファッションアパレルとは異なり、工場などの作業現場などで着用するもの。労働環境によって求められる機能が異なり、要求される仕様も様々だ。不満の原因は、取り寄せたメーカーの製品では、現場で作業を行うユーザーの細かい要望に応えきれていないことだった。

大手のユニフォームメーカーに依頼する場合、オーダーメイドでの発注には費用面や納入スケジュールといった障壁が発生する。一般的には数種類の生地と決められたデザインパターンの組み合わせから選定し、1,000~2,000枚程度の大量ロットでの注文となるため、自由度は低く、全ての要望に応えきることは難しい。

クライアントの課題解決をする手段は、世の中の既存ビジネスの中に見当たらなかった。
「クライアントの細かな要望に応えられる、本物のオーダーメイドのユニフォームを作ることができれば、ビッグビジネスになるのではないか」。ここから、機能アパレルチーム(以下、APLチーム)の立ち上げに繋がり、フルオーダーメイドユニフォームである「EX.WORKERS」という製品開発がスタートした。
現在、APLチームでは「クリーンルーム向け“SUPERIOR(スペリオール)”」、「食品工場向け“VERSATILE(バーサタイル)”」、そして「オーダーメイドワーキングウェア “EX. WORKERS”」を3つの柱として事業を展開している。

クライアントと共に創り上げる最高品質
顕在化している課題だけでなく、クライアントの想像を超える提案をするために、徹底したヒアリングを行う。現場に足を運び、実際の作業環境や工程を見ることも欠かさない。ユニフォームの制作にあたっては、生地見本やパーツを見せるだけでなく実際の作業服サンプルを作成する。オーダーメイドのユニフォームを一から作ったことのないユーザーであっても、出来上がったサンプルを見れば実際の着心地や作業性を確認することができる。EX.WORKERSは300着以上から注文可能である。一般的なオーダーメイド形態にはない小ロットでの生産を受け付けることにより、今まで既製品を使っていたユーザーも、オーダーメイドを取り入れやすくなった。

また、クリーンルームや食品工場向けのユニフォーム事業で培ったノウハウも生かし、それぞれの作業現場に適した素材や仕様の提案を行う。商社として常に最新のトレンドも取り入れながら、顧客の求めるもの以上の品質を目指して製品を作り上げていく。
例えば、運送業向けのユニフォームでは、当時まだあまり普及していなかった吸水速乾の素材を提案した。従来使われていた綿製やポリエステル製のものは通気性が悪く、現場で働く従業員は汗だくになってしまっていた。現在では、スポーツ向けのユニフォームなどで多く使われている吸水速乾素材。そんなトレンドをいち早く察知して課題解決へと繋げ、より良い作業服の提供に励んでいる。



高機能なユニフォームは原田産業というブランドを築く
クライアントからの要望は多岐にわたる。その要望すべてに応え、高品質なプロダクトを提供するために試行錯誤を繰り返した。ユニフォームを作るために、ベトナムの縫製工場とパートナー契約を結んでいたが、委託ではこちらの要望がうまく伝わらないこともあった。多くの海外工場では「大量に生産し安く提供する」というスタンスに加え、作業を効率化させて利益を出したいという考え方である。それに対し高品質にこだわり価値を認めてもらって利益を出すという我が社の方針を理解してもらう事が難しかった。

自社工場ならば細かいオーダーにも対応できると考え、2018年にベトナムに自社縫製工場であるHarada Garment Vietnam社を設立。オーダーメイドで小ロットでの生産を受け付けることにより、今まで既製品を使用していたユーザーもオーダーメイドを取り入れやすくなった。



オーダーメイドワーキングウェア “EX. WORKERS”の「EX」には、exceed=既存の概念を超える、という意味が込められている。今までにないユニフォームを創造するために、これからも歩みを止めない。